ラッコ体験記

ぷかぷか浮いてる

夏を食べたい

7月27日。夏。

うだる暑さ。燦々と輝く太陽。アスファルトの陽炎。やかましい蝉。

 

無理。世界が無理。

 

運動会を病気で休むような人間にこの環境は厳しすぎる。

 

夏なんて気候ゴミ箱に捨てたい。

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…いや、捨てんのもったいないな。どうせなら有効活用して消費するか。

 

食べよう

 

夏を食べよう。夏の暑さの代表、蝉を食べよう

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昆虫食には以前から興味があり、某サイトを見ては一度体験したいと考えていた。

 

某サイトによると蝉は成虫より幼虫の方が美味しいらしい。フンだしの必要もない為、採集してすぐに調理が出来るとの事。茹でた後油で揚げて塩をかけると絶品だそうだ。ビールが欲しくなるやつ。

 

という訳でこの記事は蝉の幼虫を採って食べようと考えた人間の話だ。

 

 

準備

早速下見に向かう。

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こことか良さそうだ。

 

 

装備を整える

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・水筒

・レジ袋

・虫除けスプレー

・懐中電灯

・タオル

 

 

 

当日の服装

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長袖の服で蚊から体を防備する。上に着ているのは10年以上着ているユニクロのパーカー。服っていつ捨てればいいのか分からない。腕には電池で光るブレスレットを着けた。

 

出発

以下時刻を併記していく。

 

19:32

家を出る。

 

Googleによると蝉の幼虫が出てくるのは日没後らしい。

 

早速目的の場所へ…ん?

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こんなとこに公園あったのか。蝉の声も聴こえるしちょっと寄ってみるか。

 

19:40

辺りを探索する。幼虫が出てきた穴はある。ここでも見つかりそうだ。

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分かりづらいが蝉が出てきた穴がいくつかあいている

 

しかし…

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鬱蒼としている。これはいつ不審者がやって来てもおかしくないな。いや不審者は私なんだが

公園の横は思ったよりも車通りがあり、車が通る度に後ろめたいことをしている気持ちになる。

どれだけ虫除けスプレーを撒いてもしばらくすると蚊が集まってくる。顔面に向かってスプレーしたらむせたし眼鏡が汚れてしまった。

 

19:52

どこからか「ドンドコ」「ヨイショ」と祭の太鼓の音と掛け声が聞こえる。今日が土用の丑の日だからか?

 

20:05

蝉の声が完全に止んだ。完全な暗闇。懐中電灯が照らす範囲が狭く、正直言って心細い。公園無駄に広いし。通報されて捕まって会社クビになったらどうしよう。まだ入社して3ヶ月しか経っていないのに。

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こんな感じで公園を歩き回っている

 

20:09

幼虫が見つからないこともあり当初予定の場所に向かう。精神が持たない。

 

20:16

予定の場所へ到着。暗闇のせいで少し迷ってしまった。気が狂いそうだった。

木の根元を一つ一つ見て回る。狭い為すぐに周回出来る。雑草もそんなに茂っておらず先程の公園より随分歩きやすい。

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寂れた滑り台。趣きがありすぎる

 

蝉の抜け殻があちこちにあり、期待が高まる。尚、昆虫が苦手な人に配慮し、写真ではなく小学生風の絵を掲載しようと思う。

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蝉の死骸もたくさんある

 

20:20

スマホを持った通行人を見て通報されてるのではという被害妄想を抱く。たまらず声をかける。

私    「こんばんは」

女性「こんばんは」

私    「昆虫採集やってるんです」

女性「そうですか」

私    「不審者みたいですみません」

女性「いえいえ」

予防線を張ったことで安心感が生まれる。

 

20:38

カブトムシの死骸を発見する。

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21:05

花火の上がる音が聞こえるが見えない。

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21:08

カメムシの交尾を見つける。

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21:10

ゴキブリを発見する(素早すぎて撮れなかった)。

 

21:14

いつの間にか花火の音が止んでいた。祭の音も聞こえない。蚊もいない。

 

21:20

心が折れてきた

 

21:23

虫(多分蝉)が飛んできて胸にとまる。ビビる。すぐどこかに飛んでった。

 

 

 

 

 

21:25

なぜ私はこんな事をしているのだろう。

 

 

 

 

 

 

21:33

パトカーが止まる。

2人の警察官が出てくる。

私       「こんばんは」

警察官「こんばんは」

私       「今昆虫採集をやっています」

警察官「なるほど。ちなみに何を?」

私       「蝉の幼虫です」

警察官「確かにそれは夜じゃないとダメですね」

警察官「今不審者の見回りをやっていまして、誰か怪しい人はいませんでしたか?」

私       「私より不審な人はいませんでした」

警察官「分かりました。規則なので身分証明書を提示してもらってもよろしいですか?」

私       「(免許証を出しながら)声かけられたってことは帰った方がいいんですか?」

警察官「こちらの立場としては早めに帰った方がいいですよとしか言えないですね。成人されてるので問題はないですがやはり若い女性が夜出歩くのは危険なので」

私       「そうですよね」

警察官「確認致しました。それではお気を付けて」

私       「はい」

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人生初の職質だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰ろう

 

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結果

蝉の幼虫を採って食べるどころか見つけることさえ叶わなかった。

原因としては梅雨明けが例年よりも遅く羽化する蝉があまりいなかったことが考えられる。

8月頃に行けばまた結果は変わるかもしれない。

あと、夜の公園に1人でいるのはめちゃくちゃ怖い

 

21:49

家に着いた。非日常からの解放。

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00:01

アイスボックスに99.99(フォーナイン)を入れたやつを飲んで寝た。

蝉の素揚げが無くてもこれだけで満足。

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夏のことは忘れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

元の画像

https://gyazo.com/1176c921c57f1c40ba4392a9ffea205e

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