ラッコ体験記

ぷかぷか浮いてる

小学生の時のお金持ちの友達の家が1メートルくらいのトカゲを飼っていたというツイートを見て思い出したこと

私が小学生3年生くらいの時の話だ。確か欠席の分の宿題かなんかを届けに行ったんだと思う。別に友達でもなかったが、帰り道に通るのでお金持ちの男の子の家に寄った。

 

彼は当時まだカラーのランドセルが珍しかった頃に水色のランドセルを背負っていて、勉強も田舎の小学生にしては出来ていた。小太りで膝を悪くしてたけど。

 

彼の家である白い一軒家のチャイムを鳴らす。
彼が玄関を開けてくれた。中に入ると横に結構立派な水槽があった。
二言三言話して宿題を渡した後、気になったので水槽についてきいてみた。
「ピラニアだよ。まだ小さいし、元々臆病な性格だから相当お腹が空いてない限り人を食べることはないよ」

 

彼との関わりはこれくらいで、後覚えているのは中学受験に落ちて相当落ち込んでいる姿くらいか(私も落ちた)。田舎の小学生の頭の良さなんてこれくらいなものだ。

 

時間は飛んで私が大学生の頃。ホームセンターでバイトをしていた私が倉庫でダンボールを潰していると声をかけられた。
「あっ、やっぱりラッコちゃんだ」
見ると50代くらいの痩せ型の男性。私と同じバイトのようだが、全く見覚えがない。
「すみません、どなたですか?」
「小学生の時の〇〇、覚えてない?その父親だよ」
名札を見ると確かに彼と同じ苗字だった。
すると男性はこちらが聞いていないのに勝手に身の上を話始めた。

 

勤務先が潰れて仕事がなくなったこと。あの一軒家を売って今はアパートで質素に暮らしていること。今は奥さんの収入が主で、息子の学費の足りない分を払う為にホームセンターでバイトをしていること。

 

一通り話すと、スッキリしたのか「じゃあ頑張ってね」といって仕事に戻っていった。その姿は妙にヘラヘラとしていた。

 

家に帰り母にこのことを話すと、「あの子のお母さん教育ママだったけど、今はこうなのね〜」といっていた。

 

ホームセンターのバイトは短期だったこともありあれから彼の父親には会っていない。彼にも会っていない。あれから私は社会人になった。彼は今どうしているのだろうか。知ったところで特に何もしないけど。