ラッコ体験記

ぷかぷか浮いてる

会社の元同期からマルチ商法の誘いがきた

9月6日のことだ。台風接近により実家に避難していた私にLINE通話がかかってきた。
誰かと思えば先月会社を辞めた山田くん(仮名)であった。

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電話に出ずに着信を切り、「お久しぶりです。どうしました?」と返す。

 

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返事はせず電話ができるかきいてくる山田くん。

 

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突然電話がかかってきた時点で予感はしていたが、明らかにやばい仕事の紹介である。わざとそっけない返事で様子をみる。

 

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日付けが変わってから返信がきた。こちらは平日仕事なのもあり夜になってから端的に返信。

 

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山田くんがいい仕事をみつけた話でなぜ私が喜ぶと思うのか。聞いてみてというので「何?」とだけ返信。

 

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あっそう。

 

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前日やらなくていいからって自分でいったこと忘れとんのか。

 

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????????????????

前半の文がマジで意味が分からないが、後半のダイレクトセリングについては知らない単語だったので検索。

 

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アウト。悪名高いア〇〇ェイとマルチまがい商法がヒットした。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%25E9%2580%25A3%25E9%258E%2596%25E8%25B2%25A9%25E5%25A3%25B2%25E5%258F%2596%25E5%25BC%2595

Wikiにあるようにこの時点ではマルチ商法であり違法ではないが、販売方式からして参加すれば大損することは間違いないだろう。ちなみにダイレクトセリングで検索して上位にくるのは肯定も否定もせず「自己責任で頑張れば儲かるかもね」というサイトだ。下手に引用したりスクショを貼ったりするとマジで怒られる可能性があるので気になる人は自分で検索してみよう。

 

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貼ってある広告胡散臭さ〜。

 

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得た情報をそのまま書き込む。ア〇〇ェイではないらしい。そんなに笑って一体何が面白いのか。

 

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URLを貼るよういったところ、めちゃくちゃ笑いながら社名だけ教えてくれた。検索すると外資系企業で仕事内容はア〇〇ェイとほぼ一緒だった。やっぱりダメじゃないか。

 

山田くんは隣の部署で働く2歳年上の男であり、私の部屋の隣に住んでいた。

ノリもよく程よくひょうきんで誰からも好かれる人で、私にもよく声をかけてくれていた。しかし自己啓発本とか格言だとか、そんなキラキラしたものを真に受けてしまいそうな危うさがあり、そこが少し私は苦手だった。

婚約を機に他県へ引っ越すからと仕事を辞め部屋を引き払ったはずだったが、まさかこんなことになっているとは。

いや、もしかしたらその彼女がマルチの勧誘だった可能性もある。隣に住んでいた時頻繁に彼女が家に来ていたしそこで洗脳されていたのかも。

まあ、既に辞めた職場の同僚を誘うくらいだ。既に負債を背負っているだろう。南無三。

 

最後に既読をつけず無視していたら来たLINEで締めたいと思う。

 

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もう返信しません。

自分の治癒力を信じてる

8ヶ月程前、左の目の下に3ミリ程度の出来物があることに気づいた。

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小さい白いものが並んでできている

 

処方されてたニキビの薬が切れた為皮膚科に行ったのが2ヶ月前。

先生「膿が溜まってるのかな?」

そういって針でブスブス刺しまくったが何も出てこず、どうやら違うらしい。

先生「これは切開しないと無理だね」

おそらく害はないので放っておいてもいいが、気になるなら1針縫わなきゃいけないそうである。

もう1回病院来て様子見てからという先生の意見を押し切り、次手術できる日に予約を入れてもらった。

そして今日がその日である。

 

先生「前回の診察からどんな感じですか」

私「お尻みたいな形してたのが割れ目から新しく出てきてちょっと大きくなって、あと疼くようになりました」

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先生「やっぱり切らなきゃダメだね」

そういってどんな感じに手術するのか簡単な絵を描いて説明してくれた。

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先生の絵の再現

 

あれ?2針に増えてる。

まあ大したことではないかと手術の同意書に署名をした後、手術室に案内される。

そしてベッドに寝かされた。

……ベッド?

いや、考えたら当たり前である。切るんだもの。

しかし想像力の乏しい私は手術=手術台に寝かされるという当たり前のことを想像出来なかった。

看護師「今から麻酔するよ〜。怖い?」

私「親知らず抜いたことあるんで多分大丈夫です(手術台に寝かされて内心ビビっている)」

看護師「そうそうそんな感じ!」

そんな会話の横で先生が何番のメスとか麻酔とか指示している。

……メス使うんだ。

当たり前である。切開するんだもの。

切る前にマッキーで切る範囲を囲って見せてくれた。

先生「8ミリくらい切るかな〜」

私「へ〜」

患部以外を覆う丸い穴の開いた緑の布を被せられる。

先生「注射で麻酔していきます。今日の手術でここだけ痛いけど頑張ってね」

そういってブスブス刺していく。出来物には痛覚がないのかあまり痛くはない。

 

先生「メス」

……

………

あ、もう切ってんだ。

なんかされてる感覚はあるが、痛みは全くない。麻酔ってすごい。

先生「……」

あーーー、なんか組織を引っ張ってハサミで切ってる。

てか布の隙間から割と見える。手袋に付いた血も見える。この布意味あんのか?

先生「………」

あ、縫ってる。糸ってちょっと太めの髪の毛みたいな見た目なんだな。

(チョキ…チョキ…)

ハサミめっちゃチョキチョキ音するな。

先生「…………」

なんか縫った糸をすごい引っ張られて下まぶたがアッカンベーみたいになるな。

先生「今引っ張られてる感覚あると思うけど顔を動かして欲しい訳ではないからじっとしててね」

私「アッハイ」

先生「……………」

(チョキ…チョキ…)

なんか2ヶ所って割には多くないか?今3回目の刺さった感覚があったんだけど。

 

先生「終わりました。鏡見られますか?」

私「はい」

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私「2針っていってませんでした???」

先生「気合い入ってしまって4針縫いました(原文ママ)」

傷口が少しでも綺麗に治るようにと頑張った結果、予定の2倍、最初の予定からだと4倍縫ってしまったそうだ。本当か?

 

その後診察室に移動し、摘出した出来物を見せてくれた。4ミリくらいの白い塊だった。結構でかい。

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先生「えっ、なるべく小さく取ったつもりなんだけど」

私「あっそんなつもりでいったんじゃなくて」

 

摘出したものは何とか脂肪腺とかいっていた気がするけど忘れてしまった。正確なことは組織検査をして抜糸の日に教えてくれるそうだ。

 

術後のケアや注意点を聞いた後、会計をした。

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この前銀行でお金下ろしていてよかった。

 

先生から今日は風呂に入るなといわれたがこのクソ暑い中汗かいてて明日仕事もある身でそれは無理なので近くにあった美容室でシャンプーしてついでに散髪してもらった。

シャワーも浴びようと思う。

 

こんなことしてるけどキレイに治るといいな。

急にやる気を出すことあるよねっていう

先日馬スジを買った。なんか近所のスーパーに売ってたから。

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何も分からないのでとりあえずググる
へー。
今度やろ。

 

それはそれとして今は梅のシーズン。私は昨年から梅酒を漬けているので今年もやりたいところ。
今年は不作らしく例年よりも高かったが手に入れることが出来た。

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せっかくなので馬スジと梅酒を同時進行で料理するぞ。

 

 

馬スジはこのレシピを参照。

https://cookpad.com/recipe/1603538

まずは馬スジを下茹でする。
地獄の番人が飲むスープみたいな見た目になった。

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下茹でしている間に青梅のヘタを取り除く。通常は竹串を使うのだが買ってき忘れた。

そこで、

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ドライバーのなんか尖ったやつを使った。

 

 

ヘタを全て取ったあたりで鍋の様子を見る。

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禍々しい。水を赤くしていたドリップが全てアクになったようだ。怖。

次は湯を捨てた後ショウガの薄切りと一緒に圧力鍋で煮込む。
しかし私の家にはこの小さい電子レンジ用の圧力鍋しかない。実家で1度も使われてなかったのをもらってきたやつ。

本当は容器の半分までしか入れてはいけないのだが、ダルいので満杯に入れた。

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これで一度に調理できる。前もこんな感じで使ったことあるのでいけるはず。

 

チンしている間に梅を水洗いし、キッチンペーパーで拭きあげていく。保存食に水気は厳禁だ。

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圧力鍋を確認するとまだ全然硬かったのでさらにチンする。

 

 

ところで、今回漬ける梅酒は昨年漬けたものが入っている瓶に入れようと思っている。

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昨年漬けたものは小さい瓶に入れ替えなければならないが、一切やってなかったので今からする。

 

 

小さい瓶に熱湯を入れ、外蓋をはめて振る。内蓋は耐熱性がないのでやらない。
3回ほど熱湯を入れたら食器用アルコールで内側を拭く。熱湯消毒が出来なかった分内蓋はここで念入りに消毒しておく。

大きな瓶から小さな瓶に中身を移し入れ替えは終了。

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馬スジはまだまだ硬い。レンジ続行。

 


大きな瓶の消毒に取り掛かる。砂糖でベタベタしているので熱湯消毒は4回した。瓶がデカい為さっきよりも振りづらい。
前と同じようにアルコールで消毒したら終了。

 


これをした後に梅酒のレシピを見たら入れ替えた瓶に新しいのを入れる時は洗わなくていいと書いてあった。内心私もそうじゃないかと思ってたけどまさか本当にやっていいとは思わないじゃないか。

 

 

消沈しつつも氷砂糖と梅を交互に入れていく。前回650gの氷砂糖でちょうどよかったので今年もそのようにする。

配分をミスって上の方の氷砂糖が足りなくなってしまった。まあいいや。
ホワイトリカーを入れて完成。

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馬スジ、ちょっと柔らかくなったかもしれない。後の工程で柔らかくなると考え加圧は終了。1時間はチンしたと思う。

圧力鍋から取り出し、普通の鍋に各種調味料と馬スジ、玉ねぎを加え煮る。

 

煮る。

 

 

煮る。

 

 

 

全然硬いぞ???

今更圧力鍋をまた使うのも面倒なので水をたくさん加え普通の鍋で煮る方法にシフト。

ある程度煮たところで本日の作業は終了。鍋がデカくて冷蔵庫に入らないのでコンロに置いたまま食中毒菌が繁殖しないことを祈りながら眠る。

 

 

次の日。

 

加水し煮る。

 

煮る。

 

 

煮る。

 

 

 


出来た!

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圧力鍋と含めて合計4時間は煮込んだだろうか。随分と時間がかかった。

 

時間は飛んで夜。

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見た目は完璧。

 

今日はずっとサボっていた仕事の資料作りを片付けたので豪華にいきます。

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馬スジを噛むと軟化したコラーゲンと一緒に旨みがじんわりと出てくる。ここに260円もしたクラフトビールを喉に流し込むと、まったりした味が爽やかな苦味に変わっていく。寿司ももちろん美味しいが半額寿司であることもありクラフトビールと馬スジの迫力に完全に負けてしまっていた。

 

馬スジ最高!

 

作り方こそ簡単なものの時間がかかったが、かなり美味しかった。ちょうど親から実家でも作ってくれという連絡がきたので次はもっと上手くやりたいと思う。

 

梅酒が飲めるのは少なくとも3ヶ月後。飲めるようになるのを楽しみに待っていよう。

 

ちなみに馬スジは後3回食べられる。やったね。

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怪しい雰囲気の店で弁当を買った話

私は週に1度は家の外でご飯を食べることにしている。
家で自分の作ったご飯やインスタント麺ばかり食べていると気が滅入ってくるのだ。
だから外食したり、コンビニで買ったおにぎりを公園で食べたりしている。外で食べるのが目的なので誰かを誘うことはない。いつも1人だ。

 

今日も外で何か食べるかと出てきたものの、最寄りの店は全て行き尽くしたしどうしようかと考えた。ちなみに私は車を持っていないので基本自転車移動だ。
いつも閉まっている坦々麺屋が今日も閉まっていることを確認し、消去法でお気に入りのネパールカレー屋に行くかと思った矢先、1軒の店が視界に入った。

 

その店は弁当と書いてあるノボリが立っているものの、いつも煤けていて店の周りにはゴミや空き瓶がずっと放置されていた。おまけに店の正面には私の背丈よりもデカいコック帽を被ったボロボロのクマの置物が置いてあるのだ。
あまりにも異様。そのため気になっていたものの勇気が出ず今まで入れなかった店だった。

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外観の一部を撮影

 

今日はその店に車が2台止まっており、客が中に入って行くところも見えた。
今なら行けそう。
そう思って私は店内に入ったのだった。

 

店内は外観以上の乱雑さだ。
あるのは壁際の陳列台と棚2つ、そして飲み物用の冷蔵庫だけ。
陳列台には弁当が並んでいて、380円とかなり安い。煮物系の惣菜も100円。他に揚げ物も売ってあったが、値札も名前も書いてないので何か分からなかった。
棚には地酒の焼酎やウイスキーカップ酒がスカスカの状態で並んでいる。この店看板には酒屋と書いてあるのだが。その上下にはインスタント系の食品が乱雑に積み重なって置かれていた。これで賞味期限をきちんと確認していたとしたら逆に感心する。
冷蔵庫は通常アイスなんかを売っている形のもので、開け口が壊れているのかダンボールで蓋をしてあった。中身が全く見えない。下に「飲み物100円」の張り紙がなければ使われていないと思っただろう。
見た目に対して店内はかなり狭く、棚の後ろが全てバックスペースとなっており老人が1人でダンボールの整理をしている。
レジも年配の女性で、普段から利用しているらしき客と会話をしていた。

 

店の鬱蒼とした雰囲気と380円という安さに慄いたものの、よく見ると弁当自体はまともだ。
勇気を出して1つ買ってみた。

 

近くの公園に行き開けてみる。
いかゲソ弁当だ。白飯、のり、おかずが順に乗っているのり弁スタイル。

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いか天弁当なら見た事あるけどゲソ、しかも短くカットしてある弁当は初めて見た。
左下にあるのはたまごサンドの具のようだった。ゲソにつけて食べろということだろうか。
いくつか疑問に思いつつ食べる。

 

ゲソはちょうどいい硬さで噛むほど味が出てきた。たまごサンドの具との相性もいい。卵焼きはほんのり出汁を感じるし、きんぴらもちくわの揚げ物も美味い。
食べ終わるとちょうどいい満腹感。

 

とても美味しかった。
またここで弁当を買おうと思う。

株式会社虚空極秘プロジェクト「N計画」

我社の理念「人類の進化」の一環として、猫と人間の合成を行い、身体能力の向上・液化能力・ふわふわでかわいい〜容姿等を持った人類を誕生させる。

 

方法

人間と猫の遺伝子を交ぜた肧を用意する。素体となる人間を洗脳後、脳の記憶をDNA情報に圧縮して胚に注入する。これにより生まれた生体に学習を施さなくとも一定以上の知能・知識を持たせることができる。

 

生体デザイン
人類の知能・手先の器用さ・持久力・腎機能を持った状態で、猫の瞬発力・液化能力・ふわふわでかわいい〜容姿を持つ人類

 

開発状況はこちらhttps://rakkotaikenki.hateblo.jp/entry/nplanreport

N計画研究レポート

素体となる人間200体の洗脳完了。基本的な知識と私の命令を聞くようプログラミング。

 

脳の情報のDNA化完了。人の肧に埋め込む。

人の胚に猫の遺伝情報を差し込む。

 

予定より猫の割合が多く発現しまったが知能は人間並のようだ。

 

なぜ私のいうことをきかない。

 

洗脳の時点でなぜか私の情報でなく課長の情報が入れられていたようだ。一体なんの手違いが。

 

 

脱走

 

 

行先は見つかった。課長の家だ。半端に知能を持った猫共はきっと暴れ回ってることだろう。

 

もう終わりだ。

 

 

こいつを飲んで私も猫になる。

 

小学生の時のお金持ちの友達の家が1メートルくらいのトカゲを飼っていたというツイートを見て思い出したこと

私が小学生3年生くらいの時の話だ。確か欠席の分の宿題かなんかを届けに行ったんだと思う。別に友達でもなかったが、帰り道に通るのでお金持ちの男の子の家に寄った。

 

彼は当時まだカラーのランドセルが珍しかった頃に水色のランドセルを背負っていて、勉強も田舎の小学生にしては出来ていた。小太りで膝を悪くしてたけど。

 

彼の家である白い一軒家のチャイムを鳴らす。
彼が玄関を開けてくれた。中に入ると横に結構立派な水槽があった。
二言三言話して宿題を渡した後、気になったので水槽についてきいてみた。
「ピラニアだよ。まだ小さいし、元々臆病な性格だから相当お腹が空いてない限り人を食べることはないよ」

 

彼との関わりはこれくらいで、後覚えているのは中学受験に落ちて相当落ち込んでいる姿くらいか(私も落ちた)。田舎の小学生の頭の良さなんてこれくらいなものだ。

 

時間は飛んで私が大学生の頃。ホームセンターでバイトをしていた私が倉庫でダンボールを潰していると声をかけられた。
「あっ、やっぱりラッコちゃんだ」
見ると50代くらいの痩せ型の男性。私と同じバイトのようだが、全く見覚えがない。
「すみません、どなたですか?」
「小学生の時の〇〇、覚えてない?その父親だよ」
名札を見ると確かに彼と同じ苗字だった。
すると男性はこちらが聞いていないのに勝手に身の上を話始めた。

 

勤務先が潰れて仕事がなくなったこと。あの一軒家を売って今はアパートで質素に暮らしていること。今は奥さんの収入が主で、息子の学費の足りない分を払う為にホームセンターでバイトをしていること。

 

一通り話すと、スッキリしたのか「じゃあ頑張ってね」といって仕事に戻っていった。その姿は妙にヘラヘラとしていた。

 

家に帰り母にこのことを話すと、「あの子のお母さん教育ママだったけど、今はこうなのね〜」といっていた。

 

ホームセンターのバイトは短期だったこともありあれから彼の父親には会っていない。彼にも会っていない。あれから私は社会人になった。彼は今どうしているのだろうか。知ったところで特に何もしないけど。